すべては≪ま・ぼ・ろ・し~≫
私たちが見ている外の世界は、
物体にあたった光の反射を目が捉えニューロンで脳に送ります。
脳は受け取った情報を素早く処理して画像を作ります。
脳のスクリーンに映し出される画像は、外界の世界だけではありません。
記憶を取り出し、夢や想像の世界も映し出します。
脳は結構いい加減で、情報を読み違えたり(=錯覚)や勝手な解釈をしたり(=ねつ造)します。
≪もう一つの世界≫が見えるという人、≪神からのお告げ≫を聞いたと主張する人…
それらは外界との刺激が遮断された時、
つまり外からの正常な感覚刺激がない状況でおこるらしい。
トンネルに入った途端、
車の後部座席に誰かが乗っているなんてことはありませんか?
山間の峠には霊が出るとか、自殺者の出た海辺のホテルの部屋は幽霊がいる
なんて話は案外耳にしますよね。
外からの騒がしい刺激が急になくなると、脳は慌てて代わりを探し始めます。
かすかな音も、垣間見た風景もすかさずとらえ、
拡大し、意味のあるものに作り上げていこうとしますが、
外からは何も入ってこないと、脳は自分で感覚を作り出すといいます。
外からの感覚刺激がない状況では、
脳は部屋の壁のシミを幽霊に作り上げてしまいます。
そして、記憶の貯蔵庫から適当な衣装を探し出してきて着せてしまうのです。
幸福物質ドーパミンの過剰な分泌は、幻覚を引き起こします。
覚せい剤やドラッグはもとより、
治療目的の薬でも好ましからざる副作用として幻覚が生じたりするのです。
≪ハッピーホルモン≫と言われるドーパミンは新しいことが大好き!
同じ刺激は、ドーパミンの濃度が下がり、やる気も下がる…
覚せい剤もドラッグも喜びは長続きしません。
効果を得るためにはどんどん量を増やすしかないのです。
ドーパミンが病的に不足するとパーキンソン病を引き起こすと言われます。
さて、幻覚も夢も同じ仲間、常に気分を高めておくために延々と繰り広げられる余興の一部。
ステージに誰もいなくなったら、幽霊さえも駆り出されるというわけです。
霊が見えるという人を可笑しいというなかれ!
彼らの脳の中では、日常茶飯事に現れる現象かもしれません。
脳は、神様にだって幽霊にだって合わせてくれるのです。
ま・ぼ・ろ・し~~~~~~~!
色と心のプロになりませんか?